「言いたいことの30%
しか言えなかった」人が、
4時間話せる
ようになるまで
外資系企業に勤めるOさん、31歳。
社内に英語を使う機会はいくらでもありました。
けれど、その機会を掴める状態ではありませんでした。
3か月のプログラムを修了した日の午後、
Oさんは本社から来た同僚と、英語で4時間近く話していました。
外資系企業 Oさん
機会はあった。掴めなかった
外資系なので、英語を使う場面はたくさんある。
それでも、その機会を掴めるレベルではなかったといいます。
「手を挙げたとしても、英語力が理由で自信を持てませんでした」
スピーキングについては、こう表現しました。
「言いたいことは、30%くらいしか言えない状態でした」
リスニングも同じでした。
社内にはさまざまな国籍の同僚がいて、速い英語はほぼ聞き取れない。
一方で、チャットやメールは問題ではありませんでした。準備ができるからです。
やっていたのは、いつも準備でした。
話す内容を用意して、その通りにやりきることに全力を注ぐ。
想定から外れた瞬間に、止まってしまう。
課題は、その場で成立させなければならないコミュニケーションに集中していました。
追い込むために、先に予定を入れた
きっかけは二つ重なっていました。
ひとつは、仕事が一区切りついたこと。
もうひとつは、アジア太平洋地域のプログラムへの参加が決まったことです。
英語を使わざるを得ない予定が、先にできた。
「ある意味、追い込むために参加しようと思いました」
英語コーチングを受けるのは初めてでした。
イメージしていたのは、しんどいだろうということ。
そして、しんどくなければ身につかないだろうということ。
「圧力がないと、モチベーションも保てないし、続けられない。
やるならお金を払って追い込もうと思いました」
3か月後、Oさんはこう振り返っています。
「思っていたより伸びました」
「大変ではありましたが、不快な大変さではなかったですね」
続けられた理由は、対面で会う「約束」だった
学習時間の確保は、多くの人が最初に不安に挙げる点です。
自分で完璧に管理できていたわけではない、とOさんは言います。
代わりに効いていたのは、報告することでした。
「そこは割り切って、報告をするためにはしっかりやる。
約束を守る、ということですね」
そして、その約束は画面の向こうにあるものではありませんでした。
Oさんは、Weekly MTGもセッションも、対面で受けることを選んでいます。
「日々の宿題だけをやろうとしていたら、厳しかったと思います。
ここに来て、人と話をする。
この人との約束を守るために頑張ろう、という形にしていました」
同じ部屋で、相手が目の前にいる。それだけで、約束の重さが変わります。
目の前で取り組んでもらえることは、コーチや講師の側にとっても大きい。
画面越しでは拾いきれない詰まり方が、直接見えるからです。
コーチは、英語学習のプロフェッショナルだった
追い込むために始めた3か月でしたが、
Oさんが受けたのは、叱って走らせるようなコーチングではありませんでした。
的確な質問を受けて、深掘りされる。
モチベーションの源泉はどこにあるのか。
これまでやってきたことと、これからやることをどう整理するか。
言われることが、いちいち腹に落ちる。だから納得して動ける。
「関心を持ってくれる、自分のことを考えてくれているな、という印象をとても受けました」
たとえば、Oさんが一番難しかったと語ったのは Daily Speech でした。
お題に対して1分で考えをまとめて話す訓練です。
「日本語でも難しいだろうな、と思うことは結構ありました。
ここが一番サポートを受けるべきところだと思いました」
何を目的に置くか、次はどこを改善するか。
Oさんは毎週のミーティングで、この課題を繰り返し相談しました。
厳しいと思ったことがあったかを尋ねると、答えは一言でした。
「1回もないです」
根性で追い込むのではなく、納得で動かす。
Oさんが受けたのは、そういうコーチングでした。
Weekly MTGを、英語でやってみることにした
このミーティングは、本来は日本人コーチと日本語で行うものです。
Oさんの場合は、途中から基本的にすべて英語で実施しました。
きっかけは、コーチからの提案でした。
アウトプットをさらに増やすにはどうするかという話になり、
英語で行う方法を伝えたところ、ぜひやりたいと希望があったといいます。
日本人コーチが英語のプロフェッショナルでもあるからできる提案でした。
「英語を話すことに精一杯にならずに、
論理立てて話を組み立てて、自分の頭を整理してアウトプットできました」
英語で話すこと自体に必死になる段階では、話の構成まで手が回りません。
相手が日本人だからこそ、その負荷が下がり、組み立ての練習ができる。
プログラムを締めくくる振り返りの場で、Oさんはこう語ったそうです。
「Weekly MTGが、一番考える機会になりました」
「そう言っていただけたのは、私にとってもうれしい副産物でした」と担当コーチは言う。
英語を話す時間を増やすために始めた変更が、いちばん考える時間になっていた。
コーチが提案し、Oさんが引き受け、二人で続けたからたどり着いた形でした。
「たくさんミスができた」ことが、いちばん効いた
Native Session では、Oさんはあえて準備をしない約束をしていました。
その場で来たものに、その場で返す。
最初は、聞き取れない。言いたいことが言えない。
それが、聞いて理解して、考えて言うという流れに変わっていった。
「成長をいちばん実感したのは、ここでした」
ただ、それ以上に大きかったことがあると言います。
Oさんはずっと、自分の英語が文法的に正しいかを気にしていました。
これは、Oさんだけの話ではありません。
日本で英語を学んできた人の多くが、正しさに目が向きます。
試験のための英語を積み上げてきたからです。
けれど実際のコミュニケーションで問われるのは、正しさより先に、伝わるかどうかです。
そして伝わる英語は、間違えていい場数を踏まないと身につきません。
講師は間違いを咎めず、理解しようとする姿勢で受け止めました。
「臆することなく、たくさんミスができました」
「突っかかっていたものが取れた感じですね。
間違いを気にしなくなって、メンタル面が大きく変わりました」
狙っていたのは、まさにこの変化でした。
商談と同じ構造の Initiative Session が、伸びた理由だった
もうひとつが Initiative Session です。
決められた「話のゴール」を達成するための時間で、
実務のシーンを再現し、ネイティブ講師を相手にやり取りをします。
事前の準備が前提です。
そのうえで、相手からは予期しない反応が返ってくる。
それを捌きながら、決めたゴールまで持っていく。
構造としては、実際の商談とほとんど同じです。
内容は難しく、テンポも速い。追いつくのに必死だったといいます。
それでもOさんは、はっきりこう言いました。
「ここが、自分が伸びた理由だと強く思っています」
準備して臨む場と、準備せずに出る場。
Oさんは、二つのセッションの目的を自分で分けていました。
「ひとつひとつ小さいゴールを設けて達成することを、自分の中でやっていました」
話せる語彙も、使える構文も、Initiative Session に向けて積み上げたものでした。
変わったのは、英語力よりも気持ちだった
3か月でいちばん変わったことは何か。
Oさんが挙げたのは、スコアや語彙ではありませんでした。
「英語を話すことに対するネガティブな感情が減って、
話したいと思うようになったのが、いちばん大きな変化です」
話したいと思えば、話す。話すから、機会が増える。
機会が増えるから、また伸びる。
「自分から機会を作ろうという感じで、いい循環が生まれています」
そのことを、Oさんは講師の人柄のおかげではないと言い切りました。
「それは人柄というより、自分の成長だと思います」
修了の日の午後、4時間
インタビューが行われたのは、プログラムを終えた日でした。
その日、本社から東京に来ていた同僚がいました。
社内で話したい人はいるかと声がかかり、Oさんは手を挙げました。
そこから、会話は4時間近く続きました。すべて英語です。
3か月前でも、手を挙げること自体はできたかもしれない、とOさんは言います。
違ったのは、手を挙げたあとの時間でした。
「今ほど話せたかというと、そうでもなかったと思います」
そして、いちばん大きな違いをこう表現しました。
「英語を話すためではなく、
コミュニケーションのツールとして使えるようになりました」
言いたいことの30%しか言えなかった人が、
英語を手段として扱えるようになる。
それが、3か月で起きた変化でした。
迷っている人へ
インタビューの終盤、Oさんの口調が変わりました。
それまで淡々と自分の学習を分析していた人が、
ここだけは前のめりになって、同じことを何度も言い換えました。
「きついけど、その分やる価値はあります。
きつければきつい分だけ、価値があると思います」
「なやなやして、後で後でと言うのであれば、
やるかやらないかを決めたほうがいいです」
これは過去の自分にも言っている気がする、とも話していました。
「言い訳をせずにやるのか。
それとも、もうやらないと決めて、やらない人生にするのか」
「やったほうがいいと思います」
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Interview 5
「伝わる英語」ではなく、
「対等に話せる英語」へ
「英語では、強く言わないと
同じ土俵に上がれない」
公認会計士 Hさんが、
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